いきなり無職!

株の損失725万円を取り返そうと奮闘する無計画セミリタイア無職人間の日常

元書店員は転売スクールと転売屋問題に何を思うか

こんばんは、ふくろう主です。

最近少し気になるニュースがありました。

デザインフェスタと言うものがありまして

簡単に言うとアート作品の即売会のようなもので

色んなアーティストさんが手製の雑貨品やアクセサリーなどを持ち込み

自由に販売したりするイベントだそうです。

 

 

先日行われたそのイベントで40000円あまりの買い物をした女性がいたのですが

後日、その姉を名乗る女性から、妹は障碍者であり

訳もわからず買い物をしてしまったので商品を全部返品させて欲しい

と、連絡があったそうです。

一時は販売側も、返品返金を受け付ける形になったようですが

当日の様子を調べてみると、買い物した女性にそう言った様子は見られず

また、姉らしき人物も、会場にいたのでは? という話になり

調査を進めていくうち、障碍者を名乗る姉妹というのは架空の人物で

二人組みの転売屋が、転売目的で商品を購入したものの

商品を捌けずに金を取り戻そうとしたという事がわかったそうです。

 

そこに出てくるのが転売スクールなる、転売屋のための学校。

おそらく、教室が固定である訳ではなく

情報商材を売ってるだけだと思いますが

そういったものが存在するのは確かなようで

今回の件も、その転売スクールでの勉強を元に

こうした一連の事件がおきたという事のようです。

この返金テクニックが、その転売スクールで

教えられたものかどうかは不明ですが

そう言えば主も書店で働いている時

同様の申し出が何度かあったのを思い出しました。

返品にやってきたのは保護者を名乗る人だったので

今思えば、気付かず同じ様な被害にあっていたのかも知れません。

 

さて、そうした記事を少し追っていますと

気になる事を言っている人を見かけました。

 

それは

 

「店の人間は、商品が売れるんだから

 転売屋だろうが何だろうが喜んでいる」

 

というものでした。

 

しかし、売る側の立場から言えば、答えは完全にNOです。

 

いや・・・うーん、完全にというと若干語弊があるかも知れません。

本当に僅かですが、ありがたい、と思える瞬間があるにはあります。

それはどうにも売れない、返品もできないようなものを買ってくれた時。

しかし、基本的に転売屋というのは売れないものは買いませんから

まぁ、そういったケースはほとんどありません。

 

ちなみに店の人間は、転売屋を見分けられるのか?

と言いますと、はっきり言ってかなり高確率で見分けられます。

とにかく、やたら複数同じ物を買いたがったり

店舗特典の付いたコミックスなどを銘柄問わず

一度に買っていったり・・と、かなり特徴的。

 

こちらとしても多くのお客様に渡るように

人気商品のため一人一冊でお願いします。

といった制限をかけるものの

レジの人間が交代した隙を狙って何度も買っていったり

何日かに分けて来店したり、と非常に狡猾。

こういった事も転売スクールとやらで教えているのかも知れません。

 

さて、ここで、同じ数商品が売れるんだからいいでしょ?

と考える人もいるかも知れません。

ですが、書店に限らずだと思いますが

商品がある、という事が非常に重要なのです。

ああ、この書店にはちゃんと人気商品があるね、というのが

店の信頼に繋がるのです。

100冊の商品が転売屋に買われるのと

100人のお客様に真っ当に買われていくのとでは

未来の売上が全く違ってくるのです。

そしてきれいごとと捉えられるかもしれませんが

心情的にも、本当に必要としてくれる人のところに

本が渡るのは嬉しいものなんです。

(まぁ、転売屋を通して必要なところに

 行くのかも知れませんが・・)

 

そして、さらに店側が転売屋を良く思わないのには

キャンセルの問題があります。

転売屋はというのはそれで生活している人がいるだけに

情報が非常に早く、予約の電話などもかなり素早い。

そのクセ取りに来るのは、結構遅かったりして

買い手が付かなければ、平気でキャンセルをしてきます。

そういった問題が多ければ今後の予約禁止など

思い切った手も打てるのですが、完全に阻止するのは難しいのです。

 

主の職場にも週刊の漫画雑誌など複数大量に取り置きしている

雑誌専門の転売屋と思われる人がいて

いつも電話などで異常に粘られるので仕方なく

予約を受けていた事がありました。

2~3年はきっちり取りにきていたのですが

最後は半年ぐらい姿を見せないまま、予約の商品だけが

積みあがって、そのうち電話も「現在使用されておりません・・」と

なってしまい、非常に大きな損害を被った事がありました。

まぁ、これは安易に信頼していた店側にも問題があります。

しかし、彼らは自分が金を儲けるためにやってますから

儲からないと見るや信頼を裏切る事は平気でやってきます。

 

また主が一時働いていた漫画専門の部署では

出版社から提供を受けて、サイン本などを販売する事がありました。

これなどは、転売屋の良い標的で

作者の方がツィッターなどで「このお店で販売します」

みたいな事を呟いた瞬間、即座に電話をかけてきます。

あまりにもそういった事が続くので

予約無し、店頭販売のみといった形にしていても

いつの間にか現れて、複数買おうとしたり、と

彼らの執念は凄まじいものがあります。

こちらとしても、サイン本などは来店して頂いた

お客様への一つのサービスとして

それからあのお店に行くと、何か掘り出し物があるかも・・

といった感じで来店を促す効果を期待している訳でして

単純にパッと売れてしまえば良いというものではないのです。

 

これは聞いた話ですが、こうした高く売れそうな本で

一人一冊の制限がかかっている本に関しては

店内にいる中学生ぐらいの子などに、何円か渡して代理で

買ってもらうような交渉をする転売屋もいるとか。

また、妖怪ウォッチがはやった頃は

妖怪メダルが付録についた雑誌を

どうにか複数予約しようとする人が多かったのですが

一人一冊まで、という話をしても

「兄弟が2人いて、喧嘩になるから、何とかお願いします」

という人がやたらと多かったのですが

後にこれも、転売屋のテクニックの一つだと聞きました。

もちろん全部がそうだとは言いませんが・・

 

こうして転売屋が関わってくると、様々な面で

店としての対応に苦慮します。

コミックスのサイン本絡みでは、どうしても手に入れたいという

熱狂的なファンがいたのですが、残念ながら売切れ。

申し訳ありませんとお引取り願ったのですが

後日、そのサイン本が同一人物から

5冊もネットオークションに出品されている、と

クレームの嵐がやってきました。

最後にはその方、店のツィッターには数分置きにリプライを。

本社には苦情メールを、出版社には直接電話を

そして最後には作者様のツィッターにも突撃。

もちろん作者様にとっても気持ちの良い話ではないでしょう。

でも、前述の通り、水際で阻止するのは至難の業なのです。

出版社はある程度理解してくれましたが

現場の事は当然あまりわからない作者様は怒ってしまい

今後はもうウチの店には、サイン本を提供しない、という事になりました。

 

こんな風に、割と転売屋に関わるとロクな事にならない

というのが主の感想でした。

 

しかし・・転売スクールですか・・

かつてゴールドラッシュの時代、一番儲けたのは

金の採掘道具を売っていた人だと言います。

当然転売スクールを名乗る人たちも

同じ事を考えていると思った方がいいのではないかと思います。

 

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