こんばんは、ふくろう主です。
たまには元書店員らしい事でも書くかと筆を取りました。
さて、みなさま以下に挙げるコミック雑誌の共通点が
おわかりになりますでしょうか?
まんがタイムジャンボ、まんがタイムファミリー、Namaiki!
ARIA、別冊花とゆめ、COMICリュウ、月刊バーズ
ヤングアニマル嵐、YOU・・
正解は・・
2018年に休刊が決定したコミック雑誌でした。
休刊とは言っていますが、出版業界における休刊はほぼ廃刊と同義です。
少し専門的な話にはなりますが、雑誌を発行するには
雑誌コードというものが必要で、これを新規に取得するのは面倒なので
一旦休刊という形にしておいて、新雑誌を創刊する時にその雑誌コードを
使いまわしたりする事があるのです。
前述のコミック雑誌ですが
大手出版社の歴史の長い雑誌も含まれています。
特に白泉社の別冊花とゆめなんかは
えっ? これが休刊になるの? と驚いたものです。
歴史は浅いですが、COMICリュウなどは
掲載作品がちょくちょくアニメ化されたりして
それなりに勢いがあるのかと思ってましたが
やはりコミック雑誌の売上というのは相当厳しいようです。
そこで今回は、現在流通しているコミック雑誌の発行部数が
この10年でどう変化しているかを見てみたいと思います。
データはこちら、日本雑誌協会のHPから引用させて頂きます。
2018年4~6月少年向けコミック雑誌(三ヶ月の平均値)
2008年4~6月少年向けコミック雑誌(三ヶ月の平均値)
こちらの数字はあくまで発行部数であり、販売部数とは異なります。
販売部数に関しては、調べる方法があるにはあるんですが
費用も手間もかかるので、今回は割愛させて頂きます。
一般に雑誌の返品率は40~50%ぐらいと言われていますので
販売部数もその割合が参考になるかと思われますが
体感としては、メジャーなコミック雑誌に関しては
もう少し低いかも知れません。
公表されたデータでは、すでに比較対象の雑誌が休刊しているものもありますが・・
ある程度メジャーなものを比較してみたいと思います。
月刊少年マガジン 94万部→37万部
週刊少年マガジン 175万部→79万部
ウルトラジャンプ 7万2千部→3万8千部
週刊少年ジャンプ 278万部→175万部
月刊コロコロコミック 88万部→72万部
週刊少年サンデー 86万部→30万部
と、まぁ一目で雑誌が売れなくなっている事が
明確にわかる結果になってしまいました。
いわゆる週刊のメジャー三誌(ジャンプ、マガジン、サンデー)は
ジャンプ、マガジンが100万部減、サンデーが56万部減と
かなり深刻な減り具合です。
しかしコロコロコミックの減少率の低さだけは驚きですね。
確かに主が働いていた頃もコロコロコミックの人気だけは
あまり変わらないな、という実感がありましたね。
また、少年サンデー超(スーパー)だけは
3万5千部から6万部と10年前より増加しています。
2018年4~6月男性向けコミック雑誌(三ヶ月平均)
2008年4~6月男性向けコミック雑誌(三ヶ月平均)
続いてはもう少し対象年齢が高めのコミック雑誌・・
こちらも10年で公表の対象がかなり変わってしまっていますが
めぼしいところを比較してみますと・・
アフタヌーン 11万4千部→6万部
イブニング 17万5千部→8万2千部
モーニング 39万4千部→18万4千部
ヤングマガジン 93万7千部→35万3千部
週刊ヤングジャンプ 93万5千部→51万2千部
ビッグコミック 51万9千部→28万1千部
ビッグコミックオリジナル 82万8千部→48万7千部
ビッグコミックスピリッツ 34万6千部→13万6千部
ビッグコミックスペリオール 27万3千部→10万3千部
ヤングアニマル 19万部→9万7千部
と、まぁざっと見ただけでも40%から60%ぐらいは
発行部数が減少しています。
当然発行したものが全て売れる訳ではないので
実際の売上の減少は更に多いでしょう。
正直もういつ休刊してもおかしくないという雑誌もちらほら・・
電子書籍の出現などもありますが
深刻な販売不振を埋めるほどではないとも聞きます。
紙の本の販売が完全に無くなる事はないとは思いますが
これからも休刊を余儀なくされる雑誌は増えていくでしょう・・。
追記:女性向けコミック雑誌も比較してみました。
よろしければご覧下さい。