こんばんは、ふくろう主です。
本日はちょっと気になるニュースの話です。
児童虐待を根絶するため、国が親による体罰を禁止する事を法制化する、というニュースが流れています。
改正法では、特に罰則などは無いようですが、しつけという範囲内であったとしても親から子への体罰は明確に違法であると謳われています。
現在民法には懲戒権と言って、親が子供にたいして子供の利益になる範囲で、教育やしつけの一環として体罰の権利を有している旨が明記されています。
・第820条（監護及び教育の権利義務）
親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
・第822条（懲戒）
親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。
ここで書かれた懲戒とは、法律上明確な規定は無いのですが、しかる・なぐる・ひねる・しばる・押入れに入れる・蔵に入れる・禁食せしめるなど、と解説されています。
今すぐではないですが、この民法上の規定も2年をメドに削除するという方向のようで法律上はしつけと言えど親の体罰を認める余地は無いという事になるようです。
先日もTwitterで、子供の兄弟ないしは母親が撮影したと思われる5歳ぐらいの男の子が父親から酷い暴力を受けている動画と、自分たちでは止められないので誰か助けてください、この動画を拡散してくださいという悲痛なメッセージが公開されていました。
結構以前からこの手の体罰動画みいたなのは、身内や第三者問わず上がっていて、結構前ですが駅のホームでぐずる子供を本気で蹴り飛ばしている母親の動画などが随分話題になっていた記憶もあります。ＳＮＳの発達で、しつけと称した体罰の現実が急速に拡散されるようになった昨今では、こうした法制化も止むを得ないところなのかな、と思います。
一方少し話は変わりますが、私が子供の頃学校で体罰を振るう教師というのは意外と珍しくなかったです。しかし現在は体罰禁止も法制化されていますし、教師から生徒への暴力というのは完全に根絶されていると思われます。個人的にはそれが理想の姿というか、非常に当たり前の光景だと思います。特に私個人の体験としては、ガチのヤンキーみたいなのには絶対手を出さないのに、ちょっとふざけて調子に乗った普通の生徒に手を出す、みたいな教師が多かったので、余計にそう思います。
しかし、先日一件の事件がありました。
生徒の激しい挑発に耐えかね、教師が生徒を殴る動画が拡散されました。第一報では単なる教師による体罰行為という報道でしたが、その後周囲の証言などから事件の性格が一変します。
もともとこの動画は計画的に撮影されたもので、生徒が挑発を繰り返し教師に暴力を振るわせて事で学校からの追放を目論んだものだったのです。この事件、続報が無いので問題の教師の方がどんな処分を受けているのかわからないですが、こうした真実が明るみに出なければ、懲戒免職という事も有り得ない話ではないでしょう。
もちろん暴力行為に及んだ教師にも非はありますが、自分たちが守られている事を利用して相手の人生を破滅させようとする非常に悪質かつ狡猾な計画的犯行です。
子供というのは純粋なもの、常に被害者という考え方もありますが、小学生ぐらいの子ならともかく、中高生ぐらいだと、子供ならではの無知からくる残酷さと大人顔負けの狡猾さを併せ持った人間というのが確かに存在しています。
家庭でも、教育現場でも、そうした人間に相対する最後の手段を法律的に封じてしまって大丈夫だろうか、という思いもほんのわずかですが、あったりします。
個人的な体験談となりますが、私も父親から思いっきり強烈なビンタを喰らった事が1度だけあります。もう数十年前の話なので細部は覚えてないですが、自分の友達と一緒に父に何処かへ連れていってもらった時に、何かわがままを言ってその友達と父親を非常に困らせたのが原因だったと思います。父は普段は非常に温厚な性格で親子の関係も特に悪くなく、多少のわがままは許してくれる人間だったのですが、親一人ならともかく友達を巻き込んで困らせたのが、大きな原因だったのでしょう。
普段は絶対に体罰を行わない父だけに、その一発は強烈に印象に残りました。父は自衛隊員だったので身体も鍛えてますから、もちろん物理的にも強烈で首が吹っ飛びそうになりました。叩かれた直後の30秒ぐらいは何が起きたか全くわかりませんでした。
そんな体験もあって、なるべく他人にいらぬ迷惑をかけない人間には育ったかなという思いはあります。殊更その話はしませんが、父としても嫌な体験だったのではないかと思います。
愛のある体罰というもの存在するし、それは親にしかできないだろうな、という気はしています。
ただもう、こうした八つ当たりやフラストレーションの解消としか思えないような家庭内暴力の動画が拡散されてしまう現代、法制化は時代の流れなのかも知れません。
それで救われていく子供たちがいるのなら、きっとその方がいいんでしょうね。
