こんばんは、ふくろう主です。
メリークリスマスですね。
こんな日も特に予定のない無職人間です。
というか一年ほとんど予定ないです。
ところで、みなさんは
プロジェクトX~挑戦者たち~という番組をご存知でしょうか?
過去にNHKで5年間ぐらいやっていたドキュメンタリー番組で、古いものだと20年近く前の放映になるでしょうか。
高度経済成長時代の新製品開発や規模の大きな建築プロジェクト、災害対応などを扱い、そこに関わる人々に焦点を当てた傑作ドキュメンタリーです。
当時物凄く流行して、インターネットではそのオープニングのフォーマットを使ってパロディ動画(というか当時はFLASH)が大量に作られたりしたので、番組を見てなくても名前を聞いた事がある、という人も結構いるんじゃないでしょうか。
主題歌である中島みゆきの「地上の星」「ヘッドライト・テールライト」も結構ヒットしてたようですし、確か紅白とかにも出てたので、これも有名ですかね。
もういい加減主としてのこのフレーズ使いすぎなんじゃ・・と思うんですけど、今アマゾンプライムビデオで全話無料で見れます。
代表的なテーマは、新幹線、液晶、コピー機、カップヌードル、ロータリーエンジン・・建築ですと黒四ダム(黒部ダム)、青函トンネル・・災害対応だと、三原山大噴火や、阪神・淡路大震災など。
とにかくどの話も偉大な先人たちの苦労が凄く感じられるし、まぁ当然そういう題材を選んでいるんでしょうけど、どれもドラマチックです。実際そのエピソードで活躍した人達が、スタジオにゲストとして呼ばれてくるんですけど、みんななんだか素朴で凄くいいです。素人なんで当たり前なんですけど、何か格好良い事言おうとして全然うまい事言えてなかったりとかw 偉大な事を成しとげた人達ではあるんですけど、やっぱり普通の人なんだなぁ、と。
しかし中にはプリントゴッコとか、すでに死んでいった技術の特集もあったりして、やはり時代というものを感じてしまいます。
出てくるエピソードも、美談は美談なんですけど、ちょっと今の時代の価値感にそぐわないモノもあったりするんですよね。
工期が間に合わないからと決死の覚悟で挑んだ黒四ダムの建設工事では何十人という人が事故死しているし・・昭和の頃の安全基準みたいなものが緩かったりしたのもあるんでしょう。尊い犠牲、と言ってしまえばそれまでですけど、本人は別に死ぬつもり働いてた訳ではないでしょうし。現代なら絶対大問題ですよ。
三原山の大噴火では溶岩流が迫ってくる中、孤島から出る為の最後の船が来て発電所の人間がいざ脱出しようとすると、誰もいなくなって大事故が起きたら大変だから何人かその場に残ってくれる? みたいな電話がかかってくるんです。まぁ、発電所の所員は命をかけてその場に残るんですけど・・割となんか人命軽視というか・・確かに美談は美談なんですが、これも今なら絶対許されなさそうですよね。
他には流通革命として、ヤマト運輸が全国どこでも翌日配達を実施しはじめた頃のエピソードなんかがありました。これはこれで、すごく革命的で(当時は沖縄、北海道への配達は一週間かかったそうです)流通のあり方を変えてやろうという職員たちの意気込みとかは感動的なんですけど、今はもう佐川急便と並んで流通関連ではブラック企業の代名詞みたいになってますよね。
彼らの革命が大きな犠牲を生み出したとしたら、それはそれで切ない話だなぁ、と思います。
とにかくホント見る人が見れば、ブラックだなぁ・・って感じるエピソードがちょくちょくでてきます。結局のところ、世の中の価値感がどんどん変化していってるんですよね。
この番組で取り上げられた事が偉業である事には異論はないんですけども。
しかし、この番組、大変素晴らしい事には変わりありません。
NHKにはぜひ、全く同じフォーマットに現代的価値感を加えて
「プロジェクトB(ブラック)~労働者たち~」という番組を作って欲しい。
ネタはなんぼでもありそうですので・・
田口トモロヲのナレーションで
「ふくろう主はオープン準備を含めてもう48時間連続で店舗に詰めていた。書店の仕事は特殊である。新規出店・・当然まわりは何もできない新人バイトばかり。帰る訳にはいかなかった」
「ようやく交代でやってきた上司は「昨日オレよっぽど疲れてたんやろな~帰ってたら着替えもせんと寝てしもたわ~」と8時間睡眠したであろう笑顔を覗かせた」
「帰ってもいいでしょうか、と尋ねる。すると上司は「もうちょっといけるやろ?」「キミがおらんと、まわりの子ら何にもできひんで?」と言った」
「こいつアホか・・と思った」
みたいなの結構いけると思うんですけどね。ものすごく共感得られそうで。
で、辞表を提出したところで中島みゆきが「ヘッドラ~イト、テールラ~イト」って歌いだすんです。凄く感動しそうです。
NHKさん、どうでしょうかね? アイデア料はタダにしときます。